2年2か月ごとに地球に接近する火星。近づく時が観測のチャンスです。
2018年は7月31日に地球へ最接近しました。この時の距離が5759万㎞です。いわゆる大接近と呼ばれるものです。
せっかくの大接近でしたが,接近時には火星全面を覆う大規模な砂嵐が起こり模様の詳細が観察できませんでした。暗い模様が薄くしか見られずオレンジ色のピン球のようです。残念!!
2020年の最接近時の距離は6207㎞で,2018年に比べると少し遠くなりましたが,接近時に砂嵐はなく表面模様の詳細が観察できました。
2020年は11月中旬に砂嵐が広がりました。赤い点線で囲った明るい部分が砂嵐です。日ごとに変化する様子がわかります。火星では大気圧が地球の100分の1なので非常に薄いのですが,激しい砂嵐が良く発生することが知られています。
2020年の秋はよく晴れましたので,火星をたくさん撮影できました。画像は10月~11月の成果をまとめたものです。最接近後は徐々に遠ざかっていくようすがよくわかります。
2020年10月6日最接近の火星動画
望遠鏡で見たイメージに近い動画です。大気の揺らぎが大きくかなりゆらゆらして見えます。下にある白い点状の地形は南極の極冠です。
2022年火星最接(12/1))前後の画像をまとめたものです。
12月は強い寒気が入りシーイングの悪い日が多かったので、地形がはっきり写りませんでした。