クラビウス・ティコ周辺の時間変化

 ツイッターで2021年9月15日のクラビウスクレーターの見え方を強調していたこともあって,その時間変化を撮影してみることにしました。幸い安定して晴れたので,3時間分の変化をとらえることができました。
 がしかし,結果は私が想定していたより変化が少なかったのです。上の画像を見てください。特徴的なクラビウスクレーターの内部が1~2時間経つともっとグイグイ見えてくると思ったのですが…。まあ,こんなものだとわかったのでこれはこれで良しとしましょう。

2020年10月26日撮影

 そもそもクラビウスは直径225kmもある大クレーターで,周壁にポーター,ラザフォード(共に直径約50km)があり,内部にも小クレーターがいくつも並ぶという特徴があります。特にラザフォードからクラビウスD→C→N→Jと小さくなりながら弧状に並ぶのが素敵です。神様のデザインですか?という感じですね。
 写真は翌9月16日の見え方に近いものです。(9月16日は雲って撮れませんでした)
 冒頭の画像では,ラザフォードとクラビウスDとCの周壁にだんだんと太陽光が当たってきた様子がわかります。

さて,撮影前はクラビウスの内部が徐々に見えてくる様子をタイムラプス動画にできないかと考えていたので,5分おきに1000フレームの動画を撮りました。19:15~22:15まで頑張りましたよ。気温は20度くらいまで下がったので寒かったです。そろそろコタツを準備しなくっちゃ。

Photoshopで位置合わせ

 そして翌日,撮影した動画の編集作業です。いつものようにAviStack2でスタック。RegiStax 6でウェーブレット処理。できた5分毎の静止画を画像のようにPhotoshopでレイヤーに読み込みました。
 Photoshopでは,隣のレイヤーと比較しながら位置を合わせていくのですが,とても面倒な作業です。(-_-;)

Photoshopで連番jpegを開く画面

 位置合わせが完了し,個々のレイヤーをPhotoshopでjpg画像として書き出しました。次に動画化の準備として,ファイル名が連番になるようにリネームし一つのフォルダにまとめておきます。今回はMoon_1.jpg~ Moon_36.jpgまで位置合わせした画像ができました。
 そして,Photoshopからファイル>開くコマンドで一番若い番号の Moon_1.jpgを選び,画像のように「画像シーケンス」にチェックして開きます。その際,動画のフレームレートを聞いてくるので今回は10fpsに設定。36枚のファイルですから動画の長さは36÷10=3.6秒になるはずです。
 

 その結果,Photoshopは連番のjpegを読み込み,画像のようにタイムラインウィンドウに動画を作成します。このウィンドウの再生ボタンを押せば動画が確認できます。
 動画ファイルにするには,ファイル>書き出し>ビデオをレンダリング でOK。

 こうして出来た動画が次の画像です。

クラビウス周辺の時間変化(2021年9月15日 19:15~22:15)

 動画の結果はイマイチですね。もっとクラビウスの内部がぎゅ~っと見えてくるイメージだったのですが…。
 うまくいかなかった原因はまず,想定より変化が緩やかであったこと。
 次に,位置合わせが正確でないことから画面がぶれました。これは1枚1枚手動で位置合わせをしたのですが,これが難しい!自動で正確に合わせることができればもう少しましになるかと思います。いい方法ないかなぁ。
 もう一つは,気流の良し悪しできれいに見えるコマがあったかと思うとぼやけたコマもあったりしてやはり違和感があること。これはある程度仕方ないことかもしれませんが,月の高度が低いことも影響していると思います。
 結果が思い通りでなかったので,冒頭の画像を作ったというわけです。これだとじっくり見比べることができますからね。変化が少ないながらも,よく見るとクラビウスの周壁や内部が徐々に見えてくるとか,マギヌスの周壁の影がだんだん短くなるとかがわかってきます。とても残念ながら動画よりよくわかるくらいです。(;^_^A

 今回の反省を生かして,いつか月面の時間変化がもっと良くわかるコンテンツを仕上げてみたい_です。

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