星座の起源

 秋の星座神話を語るのにまず押さえておきたいのが,星座の起源です。
 なんか世界史の勉強みたいで恐縮ですが,しばしお付き合いください。

 現在の星座発祥の地は,古代文明のおこったメソポタミア地方(現在の国ではイラク付近)です。チグリス川とユーフラテス川にはさまれた土地が舞台となります。
 この文明の詳細は他のサイトや文献にお任せすることにして,ここでの星座関係の歴史を簡単に記すと以下のようになります。

エアンナ・シュム・イディナの境界石

●紀元前3000年頃,シュメール人が都市国家を建設,繁栄
…星を神と考え,いくつかの星に名前をつける。
 ジックラトで天体観測。月を元にした暦も誕生。

●紀元前1700年頃,アムル人による古代バビロニア王国
…いくつもの星座がすでに知られており,星や星座に祈る星祭(新年祭)が行われる。また,月食,日食などの天文現象による星占いも盛んに行われるようになった。

●紀元前1600~1100年頃,カッシート人の支配
…境界石(写真参照)という石標に星座絵の原型とも考えられる絵が描かれた。

●紀元前500~400年頃,アケメネス朝ペルシャ時代
…現在のような12の星座(黄道12宮)による星占いが行われるようになった。

 このようにして生まれたメソポタミア地方での星座が地中海貿易をしていたフェニキア人などを通じて古代ギリシャへ伝えられるようになりました。
 ギリシャでの星座関係の歴史を記すと以下のようになります。

イリアスの表紙(1572年・Rihel社)

●紀元前800年頃,ホメロスの叙事詩「イリアス」「オデュッセイア」
…いくつかの星座が登場。

●紀元前500年前後,ギリシャの詩人が,盛んに星座神話を創作

●紀元前200年頃,アラトスの星座詩「ファイノメナ」
…44の星座について星座詩をまとめる。

●紀元後2世紀前半,プトレマイオスの「メガレ・シンタクシス」
…当時の天文学をまとめたバイブルで別名アルマゲストともいう。現在の星座の基礎になった48の星座(プトレマイオスの48星座)を確定。

【プトレマイオスの48星座(五十音順)】
 アルゴ座(現在は、ほ座・とも座・りゅうこつ座の3つに分割されている),アンドロメダ座,いて座,いるか座,うお座,うさぎ座,うしかい座,うみへび座,エリダヌス座,おうし座,おおいぬ座,おおかみ座,おおぐま座,おとめ座,おひつじ座,オリオン座,カシオペヤ座,かに座,からす座,かんむり座,ぎょしゃ座,くじら座,ケフェウス座,ケンタウルス座,こいぬ座,こうま座,こぐま座,こと座,コップ座,さいだん座,さそり座,さんかく座,しし座,てんびん座,はくちょう座,ふたご座,ペガスス座,へび座,へびつかい座,ヘルクレス座,ペルセウス座,みずがめ座,みなみのうお座,みなみのかんむり座,や座,やぎ座,りゅう座,わし座

 このように,現在の主な星座はメソポタミアで生まれ,それがギリシャに伝わって神話が関連付けられて完成したという流れなのです。(現在の88星座になった経緯は省略)

 というわけで,星座神話に関して古代ギリシャの詩人の役割は非常に大きいことになります。
メソポタミアなどから伝わってきた星座や伝説,そして,もともとギリシャ各地に伝わる伝説。これらを材料に,彼らの豊かな想像力が加わって,現在の星座とその神話がつくりあげられたのです。

 くだけて言えば,いろいろな人が好き勝手に物語を作ったと思われ,その中で生き残ったのが星座神話として語り継がれているのだというわけです。

 ブログ続編のやぎ座・うお座物語(こちら)を紹介しますが,この流れを少し覚えておいてもらえると参考になります。
 世界史の勉強みたいでしたね。最後までお付き合いいただき,ありがとうございました。

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