水の星座の元締め?!-みずがめ座-

 水に関する星座と言えば,星占いでも有名なみずがめ座です。
 みずがめを持った美少年が星座になった経緯(神話)はこちらですでにお話ししていますが,今回はなぜこの星空の一角にみずがめ座が作られたのかをご紹介したいと思います。

みずがめ座の星座線(左)と星座絵(右)

 みずがめ座の星並びを確認すると,目立つ星が少ない!たどるのに苦労する!
どこがみずがめで,どこがみずがめを持つ美少年やねん,みずがめから流れる水はどこ?と普通にイラつきます。(おいおい!)
 少なくとも星の並びのインスピレーションから生まれた星座ではなさそうですよね。そこで調べてみるとやはり理由がありました。

みずがめ座の原型

 星座の起源(こちら)でもお話しした通り,星座の元は古代メソポタミアにあって。この地域では当時,みずがめ座あたりに太陽が来た時に雨期を迎え定期的に洪水も起こったのだそうです。それで,星空のこの場所に水をもたらす何か原因があるに違いないという発想に至ったんですね。昔は星占いと天文学が一緒に扱われていましたので,ある意味とても真面目な分析だったと考えられます。というわけで,ここに水をもたらす星座が作られました。原型はバビロニアの女神グラが壺のようなものから水を流す姿とされています。(画像参照)

 そしてみずがめ座をはさんで,西には水の神エアのシンボル(半分ヤギ・半分サカナ)の姿であるやぎ座。東には2匹の魚の尻尾を紐で結んだうお座。南にはみなみのうお座が配置されています。バビロニアではこの辺りを星空の中の「海」と考えたのだそうです。それゆえにみずがめ座中心に魚の姿の星座がここに集まっていて,みずがめ座がこれらの星座を支配しているという位置づけだそうで,古代の人々もそれなりに考えて星座をつくったようで感心します。

誰か楽しい星座イラスト描いてくれないかなあ~

 さて,こうしたメソポタミア起源の星座がギリシャに伝わって神話と結びついて星座が完成するわけですが,隣り合う星座絵を見てみると,みずがめ座の美少年がかわいそうなことに気がつきませんか。そうなんです!あの天馬ペガススに頭突きをされているのですよぉ。神話に記述はないんですけどね。ペガススが東からオウリャ~と飛んできて美少年の持っている水瓶にぶつかって,そこで止まらずに美少年ガニメデスの頭にゴ~ン!!目から星が出たぁ(どないやねん!)。そのせいで美少年がよろけて下の魚を踏んで魚は仰向けに!水瓶から水がこぼれているわけもこれで納得できますよね。

 こういう絵にしたのはギリシャの誰かの確信的犯行だったと私は思っています(笑)。いや本当にギリシャにも関西人風ユーモアの持ち主がいて,こんな星座絵になったのではないかしらん。…考えるだけでおもしろいですね。さらに言えば,ふらついた美少年の脇腹にやぎ座の魚の尻尾がコチョコチョ~。美少年ガニメデスは夜空で痛いわ,コチョばいわ,もうたいへん!悶絶しているんですよぉ。(ほんまかいな~) 星座にされたばっかりにお気の毒です。
【注】:これは私の個人的な見解であって根拠は全くありません。m(_ _)m

八王子(@8oooooji)画伯作のすばらしいイラスト

 こんなふざけた妄想を気に入っていただけたのか,プラネイラスト界の巨匠である”八王子(@8oooooji)”画伯から,こらんのようなイラストをご提供いただきました!誠にありがとうございます!

 八王子画伯は,不運の美少年ガニメデスのセリフとして次のようなつぶやきを紹介されています。「そもそもみずがめ座って名前からして甕に重きを置くならば僕必要なくないですか?」

 確かにそうですね。本来みずがめ座の学名アクエリアスは,星座神話の権威,原恵先生によると「水男」の意味とのこと。なのに日本名は美少年完全無視! ガニメデスかわいそうですな。

 以上,みずがめ座をめぐる星座配置の謎を前半は真面目に,後半は不真面目に語りました。あなたもギリシャ詩人が考えたのと同じく,オリジナルな星座神話を考えてみてはいかがですか?おもしろいお話ができれば,ぜひ聞かせて下さいネ!

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