片持ちフォーク仕様ポタ赤の改良

 以前、こちらの記事でポータブル赤道儀(以下、ポタ赤)を片持ちフォーク仕様にしたと紹介しました。主にSIGMA105mmF1.4とNikonD810Aの組合せで撮るための仕様です。今回はそのフォークを長くし、星空全領域に向けられるように改良しましたので、そのご紹介です。
 ことの発端は先日美山町へ遠征に行った時(記事はこちら)、カシオペヤ座を撮ろうとしてカメラが向けられなかったことにあります。要するにフォークの長さが短かすぎてカメラボディがポタ赤に干渉して、カシオペヤ座どころかペルセウス座へも満足に向けられないことが発覚したのです。南の低い領域もさそり座の尾っぽあたりがギリギリでそれ以上低い領域へはカメラレンズフードがポタ赤に当たって向けることができません。

今までのフォーク(右:長さ15cm)と
新しいフォーク部材(左:長さ20cm)

 解決するにはフォークの長さをのばすのが手っ取り早いというわけで、これまでのフォーク部より5cm長いアルミ板(幅と厚みは同じ)をAmazonから調達しました。価格は1580円(税込み・送料込み)でした。表面の仕上げは見るからにラフですが実用上問題はありません。これに現フォークと同じような穴をあけてパンニングクランプを取付け、L型フォークにしてやればOKという寸法です。

9mmのドリルであけた穴を10mm径にするためにヤスリで削る

 問題は非力な電動ドリルと限られた太さのドリルの刃しかなく、ちゃんと必要な穴が開けられるか?ということです。やってみると案の定、穴が斜めに開いたり、穴が小さかったりしてすんなりと行きません。元鉄工所をやっていた高齢の親父の技も借りて、不細工ながらも何とか取り付けることができました。かかった時間は2時間半!ボール盤と適切な太さのドリルの刃があれば楽だったのですが仕方ありません。できるだけお金のかからない方法でやり切るのが楽しいんですよね。

右は今まで使っていたフォーク部分
ポタ赤に取付けたようす

 これで以下の写真の通りポタ赤に干渉せず、北極星あたりから南の地平線付近までカメラを向けることができます。

北極星(天の北極)の方向へ向けられます
南の地平線付近にも向けられます

 ただ、組み上げて思ったのはフォークが長くなった分、少し不安定になったかなということです。特にカメラの向きを変える際やクランプを緩めたり締めたりするときに極軸がずれたりしないように注意しないといけません。こればかりはやってみないとわかりませんが…。ダメなら元に戻せば良いですしね。
 あと別問題として、北極星に近い領域へカメラを向けて構図を撮る時、ファインダーをのぞけないことがあげられます。NikonD810Aの背面液晶は固定ですし、これも確認しにくい要因です。

パンニングクランプの目盛は赤緯の目安
(目盛0は赤緯0°となるはず)
ポタ赤の赤経目盛

 この問題を解決する手段としてパンニングクランプの目盛を赤緯の目安に、そしてポタ赤の赤経目盛も使って数値で合わすこともある程度可能かと考えています。あらかじめプラネタリウムソフトを使って目的の写野の中心座標を調べ、それに合わせれば大体うまくいくのではないかという予想です。ある程度の誤差はあるでしょうけれど、ファインダーのぞいて合わせるのも正確とは言えませんものね。

 以上のような作業で、SIGMA105mmレンズも空の全方向へ向けられるようになりました。はたして思った通りの運用ができるのかどうか?! 次回の遠征時にでも北極星に近い領域の撮影をしてみたいと思います。(おわり)

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