夜明け前の月面撮影

 8月26日と28日の夜明け前,月が南へ高く昇ってくる(南中)のを待って撮影をしました。26日の南中時刻は午前2時半,28日は午前4時。南中時刻の1時間前に目覚ましをセットし早めに就寝しました。
 家族には半分呆れられています。「また,撮るのね~」ってな感じです。一般人の感覚では「月なんて月齢同じなら,そんな何回も撮らなくてもいいんじゃないの?」ということなんでしょう。しかし,月齢が同じでも月の明暗境界線や月縁に見える地形は微妙に変わりますし,その時の月の高さや気象条件によってシャープに撮れるかどうかはわからないのです。つまり,二度と同じ月を撮ることはできないといっても過言ではありません!だから,晴れたら可能な限り撮影するのです!(と,強調してもどれだけの人に響くやら…,でもTwitterを始めて同類のお仲間が結構いらっしゃるのでホッとしてます。)

 さて,26日午前2時前に天文台へ上がってみると一見晴れてはいるのですが月のまわりがぼぉ~とにじんでいます。空全体に薄もやがかかっているようです。う~ん,撮るか?あきらめるか?悩みましたが,とりあえず撮影機材の準備をして好転するのを待つことにしました。寝る前に望遠鏡を外気になじませるため,天文台の屋根と望遠鏡の蓋をあけておきました。もう6時間くらいそのままなので望遠鏡の筒内気流もほとんどないはず。夜中は降水確率0%だったのでできることです。
 30分ほど待ってましたが状況は変化なしだったので,薄もやあるときも撮ってみようと決断。撮影を始めました。その結果が次の動画です。画面が白っぽいですね。

 続いての26日夜は雲が多そうでしたのでパス。27日夜はGPV気象予報によると雲がそこそこありそうですが,宵のうちは結構晴れていたので,22時ころ土星と木星をチャチャと撮影してから夜明け前に月を撮影することを決意。28日午前3時前にアラームをセットして睡眠をとりました。

 目覚めて天文台に上がってみると,オッ!前回よりもよく晴れている!!俄然やる気が湧いてきました。
 私の場合,月面撮影のルーチンは,①25cm反射+ASI174MMでモザイクモノクロ動画撮影,② 25cm反射+ D810Aでカラー静止画撮影,③15cm屈折+LUMIX S5で月の全景動画撮影,④ 25cm反射+ LUMIX S5で月の拡大動画撮影で順調にいって30~40分かかります。
 ①と②の撮影を済ませたあたりで,空に異変が…,③の撮影をしようとすると写真のように雲が攻めてきました!みるみるうちに空全体に広がってしまい,撮影が不能になりました。あ~あ,残念!でもまあこんなこともよくある話。少し待ったらひょっとして雲が切れるかも…と考えて待機することにしました。退職したからできる心の余裕ですね。その日仕事があったら,速攻あきらめて寝ていたことでしょう。

 しかし,なかなか状況は好転しません。待っているうちに寒く感じてきました。気温は22度,Tシャツ1枚なのでちょっと甘かったか?!蚊が腕にとまったので,部屋に戻って長袖シャツを装着。再び天文台へ上がるも状況変わらず時刻は午前4時。そろそろ薄明が始まる時刻です。今日はここまでか…。ついにあきらめて望遠鏡に蓋をして天文台の屋根を閉め,除湿器をON。鍵をかけて部屋に戻ろうとすると!何ということでしょう!急に晴れてきたではありませんか!?

 急いで,除湿器を止め天文台を開けて観測体制へ。時々雲が月の前を横切るもなんとか③,④の動画撮影を済ませることができました。開けたり閉めたり手間がかかりましたが,待ったかいがあったというものです。天文台閉めて時計を見れば4時30分。ほとんどの人が寝ている中,ガサガサゴソゴソ小さな声を漏らしながら奮闘する天文趣味人なのでした。
 そんな結果が,以下の動画です。夜明け前は比較的気流が落ち着いていることが多く結構いい感じで撮れているかと思います。良かったら見てやってください。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!
目次