Seestar S30pro 試し撮り

 かねてより興味のあったスマート望遠鏡。このたび思い切ってZWO SeeStar S30proを2026年5月21日に入手しました。なかなか晴れた日に恵まれず、ようやく5月末に満月期ではありますが試し撮りできたので簡単にレポートしたいと思います。

 まず、SeeStar S30proの梱包状態です。

箱を開けるとシールが入っていました。使わんけど(^_^;)
本体・付属品一式が収まるソフトケース

 ソフトケースに太陽フィルターや三脚、充電ケーブルなど付属品と本体が収納されていて、持ち運びに便利です。
 購入は協栄産業大阪店からでした。ここではオリジナルのマニュアルがダウンロードできるので、それにしたがって設定やファームウェアの更新を行いました。日本国内での正規販売・サポートは「ビクセン」が担当しているので何かあった時に安心です。
 

 スマート望遠鏡の経緯台モードでは長時間の撮影をした場合、視野が回転してしまい画面周辺部の画質が落ちるので、私は特別な場合をのぞき赤道儀モードで撮影しようと考えています。そのため、写真のようなパーツでSeeStar S30proを傾けて極軸を合わせることにしました。

 三脚はある程度の高さを稼げるAZ-GTiX用のもの。これはAZ-GTiXに望遠鏡を載せた時、強度不足を感じたのでカーボン三脚に置き換えた経緯があり、あまり使ってなかったのです。でも、軽量なSeeStarなら充分かと思います。

 そして、水平を出せるレベリングベースの上に極軸を調整しやすいフルードタイプのビデオ雲台(INNOREL F60)を載せています。クイックリリースプレートによりワンタッチで脱着可能なのが楽です。本当はこの部分がアルカスイス規格なら他にも使い道があるので良かったのですが、耐荷重10kgの余裕を優先しました。SeeStarを傾けても勝手に下がらず安定感があります。フルードタイプの良いところですね。

 実際の極軸合わせはSeeStarがガイドしてくれるので、操作は難しくありません。マニュアルに従えば迷うことはなかったです。ただし、雲台微調整の際にレベリングベースが少したわむのが原因か、雲台を固定したあと若干ズレることがあり慣れが必要だと感じました。

 

 こんな準備を整えながらファーストライトの機会を待っていましたが、ようやく晴れたのが5/30の満月前日と5/31の満月当日でした。
 撮影は両日とも光害のある自宅ルーフバルコニーから撮りました。
 まずは5/30撮影分から かに座のプレセペ星団 M44。以降の画像はすべてオリジナルの4K→2Kに縮小しています。

M44 画像処理前
M44 画像処理後

 M44は視直径が月3個分くらいあるので、どうかなと思いましたが、SeeStar S30proは画角が広いのでいい感じに収まりました。
 画像は1枚の露出が10秒設定で11分間撮影。
 1つ目の画像が撮影をSTOPした時に自動的に保存されるそのままの画像、2つ目の画像はSeestarアプリ内でAI denoiseをかけて、コントラスト等を調整したものです。
 M44の位置は西に傾き、大阪方面の光害があって背景にムラがありましたが、AI denoiseを実行するだけでノイズだけでなくカブリまで補正してくれているようです。これは自分であれこれ補正するより上手な気がします。助かる~(笑)。


 次は、へび座の球状星団M5

M5 画像処理前
M5 画像処理後

 これもM44と同様の設定で計15分間露出。
 アプリで画像処理を軽く施して、ずいぶんいい感じになりました。


 続いて、おおぐま座の銀河 M101

M 101 画像処理前
M 101 画像処理後

 淡い銀河ということで1枚10秒を60分露出。
 満月1日前の月明かりがあるにもかかわらず意外に写っていますね。小さいけど(笑)
 背景は片寄ったカブリは補正されていますが、よく見ると多少色ムラが見られます。まあ、この環境条件では文句を言えないですな。


 次からは、5/31夜の撮影分です。まずは ヘルクレス座の球状星団 M13。

M 13 画像処理前
M 13 画像処理後

 この日は満月でした。前日のM5と同条件で撮りました。やっぱり、M13は少し大きいですね。


 次にりょうけん座の球状星団 M3 です。

M 3 画像処理前
M 3 画像処理後

 ちょっと、背景を黒くし過ぎたかも…


 次は同じく りょうけん座の子持ち銀河 M51。

M 51 画像処理前
M 51 画像処理後

 露出はM101より少し長めの72分です。やはり、S30proは画角が広いだけに視直径の小さい天体は迫力不足になってしまいます。
 


 続いて、6/1に日付が変わってから はくちょう座の北アメリカ星雲を狙いました。

NGC 7000 画像処理前
NGC 7000 画像処理後

 ここで1枚30秒に設定しました。露出は薄明が始まるまでの2時間強。対象を選ぶと自動的にフィルター(星雲用?)がONになっていました。北アメリカ星雲は広がりの大きい星雲ですが、Seestarの画角にちょうど良く収まっています。
 時間も遅くなって眠いのでベッドに横たわりスマホから操作して撮影開始!家のWi-FiにつないでいるのでSeestarから離れても操作&確認できるのは便利です。そのまま寝て薄明が始まる頃にセットしたアラームで起きて撮影終了。スケジュール撮影もできるはずですが、これはまたの機会に。
 そしてその後、片づけに行ったのですが、空の状態が悪くずいぶん見える星の数が減ったように感じました。透明度が悪くなったんだと思います。
 でも、満月の夜で透明度も途中から悪くなったわりには星雲がけっこう写ってますね。これにはビックリです!


 以上、満月期に自宅で撮ってみた結果を紹介しました。
 スマート望遠鏡が都会でも簡単に写せるとSNSでの投稿や実際持っている人からも聞いていました。しかし、ここまで簡単に良い結果が得られるとは正直思っていませんでした。撮影したい天体を選んでGO TOボタンを押すだけ。写野の中心にピタリと導入完了してピントまで自動で合わせてくれるし、設定した秒数で勝手に撮影をしてくれる。しかも、画像処理もスマホだけで超簡単!すばらしい!!
 望遠鏡+フィルムカメラによる直焦点撮影を始めた40数年前のことを思えば、信じられない進歩です。だって、1枚撮るのに数十分もガイドスコープをのぞき続けて追尾がずれないようにハンドコントローラーをカチカチ修正していたんですもん。おまけにフィルム現像するまで結果はわからないですし、画像処理なんかできまへん。いやぁ~えらい時代になってきました(笑)。でもこれはすでに多くの方が体験済なんですよね。私も遅ればせながらスマート望遠鏡の世界に仲間入りできて感無量です。
 6月に入ってなかなか晴れないのがもどかしいですが、これからの撮影が楽しみになってきました。広角の方では地上の風景と天の川も撮れるとか、望遠と広角と同時に撮れるとか、他にもいろいろな撮影のしかたがあるようなので、ぜひ活用していきたいと思います。
(おわり)

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