令和四年 中秋の名月

 今年は8月からスッキリ晴れる日が少なく、9月10日中秋の夜も雲が多そうな天気予報でした。当日18時頃は小雨が降っていてほぼあきらめていましたが、劇的に天候が回復してかつてないほど楽しむことができましたので、そのようすと成果をご報告いたします。

 さてあまり期待せず19時に外へ出てみると、雲が少し残っているものの晴れ間が大きく広がっていました。月も雲から顔を出していたので、最近お気に入りの「お月見散歩」へ嫁と出かけることにしました。近くの川まで往復50分くらいのコースです。家の近くでじっとお月見をしていると、視界が狭いし蚊もやってきますからゆっくり見てられないんですよね。その点、散歩しながらだと景色の変化も楽しめるし蚊には刺されないし適度な運動になるし、一石三鳥というわけです。

 目的の橋まで来る頃には月の傍らに木星も輝きを増してお月見に花を添えます。川面に月の光がキラキラと反射し、おまけに虫の大合唱!風情があります。虫の音はにぎやかでも不思議に心地良いものですね。1/fのゆらぎというやつですか。とても癒されました。

 帰ってからは望遠鏡の蓋を開けて拡大撮影の準備です。幸いにも雨の心配はなさそうなので、しばらく筒を外気に順応させました。
 21時過ぎに屋上へ上がると、何と!大きなゴキブリがお月見をしていたのですよ~。名月と知っての所業か?!スリッパで叩こうとしましたが、すき間に入り込み出てこない~。家の中に入られると困るので、殺虫剤をかけるもなかなか死なない…動き回るし…ようやく成敗しましたが、意外に時間を取られました。
 空を見ると月に向かって雲の大群が迫ろうとしているではないですか。あわてて撮影したのが、この写真。15cm屈折直焦点での1枚撮りです。

 月に雲がかかり名月もここまでかと思いきや、月のまわりに虹っぽい色の光の環が見えてきました。いわゆる「光環」ですね。思ってもみないプレゼント!
 三脚に望遠レンズ装着のカメラをセットしてパチリと記念写真を撮っておきました。

 その後、お茶にしようと言って嫁が出してきたのがイギリス旅行帰りの娘のお土産である紅茶&クッキー。あれっ?なんか違う。アフタヌーンティースタイルやん!ここはお茶と月見団子でしょ!とのツッコミは心の中でおさめ、だまっていただきました。美味しかったし、まあいいかっ~もうこのまま寝てもいいかなと思いつつ、念のため23時半ころ屋上にいくとメチャ晴れているやないですか!これは…ということで25cm反射によるモザイク撮影を開始。かなりシーイングも良かったので、好結果が得られました。この気分の良さは嫁と娘にはわからんのです。
 今回の名月は、秤動で月の北(画像上)と東(画像右)がグッと地球に向いているので、ふだん良く見えない地形を見るチャンスとなっています。しかもその辺りに影が入っているので地形が良くわかります。特にフンボルト海、縁の海、スミス海付近!ぜひ写真を拡大してご覧下さい。

モザイクLRGB撮影(半分に解像度を落としています)

というわけで以上、久しぶりに充実した令和四年中秋の夜のご報告でした。
(おわり)

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